英会話力 VS コミュニケーション能力
もう十数年以上も前の話になりますが、わたしが大学時代に、カナダに語学留学していたときのことです。
わたしが当時住んでいた寮には、たくさんの日本人留学生が住んでいたのですが、その中で、特に目立っていた日本人の男の子がいました。彼は日本人にしてはとてもフレンドリーな性格で、日本人だろうが現地人だろうが、お構いなしにすぐに友達になれるタイプでした。わたしも、偶然に出身の高校が彼の出身校の近所だったことから、仲良く話すようになりました。
そんな性格の彼は、たくさんのカナダ人の友達ができて、いつも彼らとつるんでいました。現地人といるとき、英語で彼がどんな会話をしているのか気になり、彼らの会話を盗み聞きしていると、驚いたことに、彼の英文法は結構適当で、「よく語学留学に来られたなぁ」というレベルでした。しかし、彼の持ち前の性格なのか、人気者になるために現地人のテンションに合わせているのか、彼のフレンドリーで明るい態度で英語力をカバーしているようでした。留学生活が終わるころまでには、彼の英語力はかなりアップしたようで、大いに海外生活を楽しんでいたようです。
わたしは彼とは逆で、間違った文法で話したくないタイプです。何か間違いを指摘されると、自分が許せなくて、話せなくなります。しかし、英会話を上達させる上では、英語力よりもコミュニケーション能力を高めないといけないのではないか、と思いました。楽しくネイティブとコミュニケーションが取れるようになると、英会話力も自然に上がってくると思うからです。当時の日本人の友達に、大切なことを教えてもらった気がします。
